未来の契約

7/18
前へ
/208ページ
次へ
「え――」  心臓が跳ねた。倒れている三人に目を向ける。ここからでは息があるのかどうかは判断出来ない。 「今あなたが何もしなければ、目撃者を消すために竜人は全ての人に止めを刺すでしょうね。でも、あなたが戦えば――」 「どうすれば……」 「え?」  三人が生きてる。三人はまだ救える。なら、迷っている暇なんかない。 「どうすれば母さんたちを救えるの!」  ウンディーネは瞬きを数回し、また柔らかい笑みを浮かべた。 「自分を救えと言われたときは諦めかけてたのに、三人を救えるのと知ったら何をしてでも救う。優しいわね……あなたの名前を」 「え、えっとセシル」 「フルネームは?」 「セシル・ロイフォード」  名前を口にした瞬間、ウンディーネの周りに浮いていた円状の水が広がり、セシルとウンディーネを包んだ。
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!

588人が本棚に入れています
本棚に追加