黄昏センチメンタリズム

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西日が校舎の影を、一層濃くしていく。 影法師も、行き交う人々の身長を優に越えた、そんな時刻。   --屋上。 まだ暖かいとは言えない風の中、物思いに耽る青年が一人。   学校なんて、嫌いだ。   馬鹿な教師   馬鹿な生徒   馴れ合いの中で時間を浪費して行く。   ひたすら無意味な行為の繰り返し…   どこまでも続く。     「ぷくくっ……ねーよ にわかクールを冷めた目で眺めるのって… 優・越・感!」 その死角、笑いを噛み締めているヤツと 「お前、絶対に友達いないだろ」 そいつに呆れるダチが居ることを、彼は知らない。 その事実も、観察者の感情を助長してるのは言うまでもなく 「ふはははは…」 一人は薄ら笑いを浮かべ続け 「俺、やっぱ帰るわ」 いたたまれなくなったダチが踵を返すのは、当然の結果と言えた。
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