STAGE 4 みんな同じ仲間だろ

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ミシェルが連続的に攻撃を繰り返す中、一度目のブラディア発動が終わる。 互いに息を切らしているのがわかった。 『侠介、まだ変化はないのか?』 『まぁ、唯一あるとしたらブラディア発動したのに関わらず息を切らしたってくらいだな』 約一分程度の休憩を挟み再びブラディアを発動させる。 それから同じ事を何度も繰り返す。 そして二時間後、互いに肩で息をしている二人が居る。 いつしかバラドも訓練区域に現れ腰を下ろし、飲み物を飲んでいる。 『なぁ玲華、こんなんで侠介の第二能力が発動するのか?』 『わからない…ただ「あの時」と似たような状況にすれば発動するんじゃないかってミシェル隊長が言ってた』 『その山は案外当たってるかもな』 バラドが指をさす先で、侠介に変化が見えはじめていた。 膝をついた侠介の背中にあの時と似たような「透明な羽らしき物」が見えはじめる。 『なぁ……今、自分自身の状態が分からないんだ。 どうなっている?』 『(この羽…あの時の) 侠介、貴方感覚がなくなっているの?』 『あぁ、こんな感じは…初めてだ』 その時、侠介の体がまばゆい光に包まれた。 そして光が消えていき、ゆっくりと立ち上がる 『全く、ご苦労な事だ。 アンタに会うのは二回目だな』そう言った侠介は不適な笑みを浮かべていた 『(二回目?あの時といい、今といい別人のようね。 だとしたら記憶が無いって言ってた事は納得いく) 貴方に率直に聞くわ。 貴方、侠介ではないわね?』 侠介は手を握ったり開いたりしながら 『だとしたらどうする?』 『初対面の人間に対しては自己紹介が必要でしょう? 私は』 『あぁ、知ってる。 だからアンタ等の自己紹介は必要ねぇよ。 俺は侠介ともいえる存在。 そして、この力は 「今の侠介では扱えない力」 だから代わりに俺が表に出ている』 『代わりに出ている?』 『アンタ達が普段見ている侠介は間違いなく本物の佐久間侠介。 そして今、目の前にいる俺は侠介自身であってそうではない存在』 『それは二重人格の事を言ってるのかしら?』 『いいや違う。 侠介の人格は一つしかない。 俺は侠介と契約を交わし、共に戦い共に護り合う者。 俺は・・・「ブラディア」だ』 侠介から発せられたその言葉にミシェル、バラド、玲華は驚きを隠せなかった。
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