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「俺は侠介と契約を交わし、共に戦い共に護り合う者。俺は…ブラディアだ」
ハッキリとそう言ったミシェルの目の前にいる能力の第二発動をさせた侠介がいる。
だが目の前の侠介は侠介ではなくブラディアの人格が出た侠介だと言っていた。
『ブラディアが個々の意識を持っているなんて初めて聞いたわよ?』
『そうか。
ブラディア自体は遺伝子操作を行うナノマシン、話す事は出来ない。
だが、それぞれ意志を持っているのは確かだ。
ブラディアの力を扱える者が決まっているのは何故か解るか?
それは「意志を持ったブラディア自身が主を決めている」からだ。
だから最初の主以外には拒絶反応がでる』
『そんな話をするなんて、間違いなく侠介では無理ね。
目の前のこの事実を信じないといけないわね……
ブラディアは話が出来ないって言っていたけど、どうして貴方は侠介の身体を動かして話す事が出来るのかしら?』
『他のブラディアの事は知らん。
だが俺は「特別」なのさ。
普通のブラディアは契約をかわした一人の主の遺伝子しか持たない。
だが俺の遺伝子は複数持ち合わせる事が出来る』
『複数?』
『そうだ。
俺の能力は身体強化と言われているがそれは間違い。
俺が持つ本当の能力は
「能力の集積」』
『能力の集積?』『簡単に言えば能力の吸収だ。
俺は初めにゼノスと契約を交わし、俺とゼノスの間に出来た能力が「身体強化」。
その遺伝子を記憶し別の人間と契約をかわした時その人間は身体強化を使え、そしてその人間との間にも新しい能力の遺伝子が出来る。
俺はそれらを繰り返すことで「俺自身」を強化出来るのさ』
『なんか複雑な話だけど、つまりは、今の侠介はゼノスの能力だった身体強化を使える。
そして、今のその状態(能力)はゼノスの能力と侠介の遺伝子が合わさった「侠介自身の能力」って事でいいのかしら?』
『そうだ、あまり深く考える必要はない。
そろそろ侠介を表に出す。宜しく言っといてくれ』
『ちょっと待って!!
最後に二つだけいいかしら?
今のその能力は「侠介には扱えない」って言ったわよね?
それはどうやったら扱えるようになるのかしら?
そして能力を発動させるにはなにが必要なの?』
『全く欲張りだなアンタは。
まぁいい教えてやるよ』
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