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『まずは「どうやったら扱える」かだが、それは侠介自身の問題だ。
今の状態、だだの人間としての侠介は肉体的・精神的にもまだ「能力」を扱うレベルじゃない』
『それは能力(ブラディア)に対してトレーニングが必要って事?』
『そうだ。 今のままでも能力を発動させる事は出来るが、100%の力を出しきれてはいない。
その状態で1ランク・2ランク上の能力など扱えるはずないだろ?』
『確かに……じゃあ扱えるレベルになったとして、その第二進化の能力の発動に必要な条件とかは?』
『それも侠介自身の問題だ。
今の状態で侠介に死なれちゃ困る。
契約者が死ねば、付いているブラディアも死ぬ。
だからこの前、死にかけた侠介に代わり俺が表に出たのさ……あの女、玲華を驚かせちまったがな。
今は、アンタが無理矢理に発動させようとしたから表に出たがな。
だが勘違いするなよ?
この第二進化の力は、能力多使用とか瀕死の状態とかでは決して発動はしない。
今の現状では「俺自身」が鍵となり、発動するかしないかは俺が決めている』
侠介の体がまた光りだす。
『時間だな、じゃあな』
そう言って、体の光りが消えていくと
『……俺、気絶してたのか?』
『今度は本物の侠介みたいね』
ミシェルは、つい先程まで起きていた事を侠介に話す。
『マジかよ……』
『えぇ、貴方の中のブラディアが話をしてくれたわ』
バラドが近寄りながら話す。
『しかし信じられない事が起きたな。
ブラディアが個々の意識を持ち、所有者を選んでいるとはね。
で、どうするんだミシェル?』
『何が?』
『上層への報告だ。
俺達が言える事じゃないが、今の事を言ったら大騒ぎになるぞ。
それに、侠介は間違いなく特体(得意体質)として世界政府に引っ張られ人体実験だ』
『解ってるわよ、そんな事……』
それを聞いていた侠介は静かに立ち上がり口を開く。
『ミシェル、報告しなきゃならないなら言えばいい。
それがミシェルの仕事なんだろ?
俺は怨んだりしねぇよ』
『侠介……』
ミシェルは考えるように隊長室へ戻り、侠介達三人は自室へと戻って行った。
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