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支部長室にミシェルとログナードがいる。
支部長の一人、重寿を交えお茶を飲んでいる。
『そう言えば、何か最近ウラノス隊員が色んな意味で活発だな』
そう話だしたのはログナード。
『えぇ、侠介とライの二人のトレーニングに隊員が感化されてね。
まぁ何にしろ、やる気になってるのは良い事よ』
『だがあまり無理はさせるな。
ウラノス隊は要とも言える部隊だ。 トレーニングのせいで本戦時に動けませんでは話にならん』
『大丈夫よ。子供じゃ無いんだし』
『俺の部隊もトレーニングさせるか。
久々に俺が相手でな。
と、まぁそれはいいんだが…
重寿さん、俺達を呼んだ理由は何ですか?』
そう。 ミシェルとログナードは重寿から支部長室に来るように呼ばれていた。
『ん? あぁ何だっけかな……最近物忘れが激しくてな』
『ちょっと、しっかりしなさいよ。 支部長なんだから』
『何も忘れたくて忘れたんじゃない。
老いには勝てんな』
『老いって、俺達と二歳しか変わらないですよね?』
と、ログナードは苦笑い。
『……思い出した。
進化Aの話なんだが、最近出現した話を聞かないと思わないか?』
確かにジュバロのCDクラスと進化B程度の戦闘はあるが進化Aの報告は第一支部以外からも話は出てはいなかった。
『そうね。 でも出現しない事にこしたことはないんじゃない?』
『確かにそうだが、引っ掛かりますね』
『そう……最近のジュバロの出現数から色々計算すると出現しない事がおかしい。
確かに進化Aはジュバロの中でも「特体」に当たり、一気に多数生まれる事は無いが、生まれる事自体はゼロではない。
なのに出現していない』
『遠回しね。 何が言いたいの?』
『重寿さん、まさか進化Aが隠れて集まっているとでも?』
重寿は表情一つ変えずに答える。
『その「まさか」だ。
世界政府から全イーグル支部にそれとなく話が流れている。
以前、ガザルムで出現したSクラスは進化Aが集まり何らかの形で合体した集合体だ。』
『つまり、どこかで進化Aが集まり集合体になっている……と?』
『あくまでも可能性だ。
だが俺達と同じ、いやそれ以上の頭を持った生命体だ。
そんな行動を取っていてもおかしくはないだろ?』
その時、重寿に女隊員の声で通信が入る。
『失礼します。
重寿支部長、イーグル本部本部長から支部通信が入っております』
通信を切りフゥーっと息を吐く重寿。
『本部長自らの通信か……嫌な予感がするな』
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