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静かになった中、淡々と話をする重寿は解散させる。
神咲は玲華に連れられ隊員室に着いた。
『今日からここが私と貴方の部屋よ。
改めまして宜しくネ、詩織ちゃん』
『こちらこそ宜しくお願いします、玲華さん』
部屋に入り荷物を片付けていると外が騒がしい。
玲華が扉を開けるとそこには男性隊員が溜まっている。
『なんだ玲華か……』
『「なんだと」は何よ!!
失礼ね!!
って言うか何をしてるの皆?』
明らかに神咲を見に来ているのが分かる。
『お前、知らないのか?』
『知らないって、何が?』
『神咲詩織っていったら、イーグル内でトップクラスだぞ!!』
興奮しながら話す隊員。
『知ってるわよそんな事。
実力がトップクラスなんでしょ?』
『違う、違う。
イーグル内「彼女にしたいランキング」のトップクラスだ。
神咲詩織は初登場で3位を獲得、二年間トップ3に入っているアイドル的存在!!』
さらに興奮しながら話すそれに、会議室での歓声が納得できた。
『あの~玲華さん?』
部屋の扉から顔を出す神咲に男性隊員が歓声を上げる。
と、そこへ侠介が歩いてきた。
『何やってんだ、皆……ってオイ!?』
男性隊員が侠介を囲み何やら先程のランキングの説明をし始めたらしい。
隊員達の足元からはい出るように侠介が出てくる。
『玲華…なんだコイツ等は!?』
『さぁ……一言で言うなら詩織ちゃんのファンじゃない?』
侠介に手を差し延べる神咲。
『大丈夫ですか? 侠介さん』
『あぁ何とか』
神咲の手を握った時、神咲の顔が赤くなる。
立ち上がった侠介の、背中から殺気を感じる。
『きょ、侠介…貴様……』
『俺達でも触れてはいけない「しおりん」の手を握るとは……』
『侠介、貴様は我々の敵だ!!!』
意味不明な事を言い出す隊員達。
すると神咲もいきなり変な事を言った。
いや、言ってしまった。
『私、決めました……
やっぱり私の彼氏は侠介さんしかいません!!』
と、侠介の腕にしがみつく神咲。
「……えぇーっ!?」とその場にいた全員が揃って声を上げた。
『って、いきなりこの展開は無いでしょ……』
壁に寄り掛かっている玲華は呆れ顔だった。
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