STAGE 4 みんな同じ仲間だろ

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ガチンコサバイバルがはじまって約10分。 会場と化した訓練区域は物凄い熱気に包まれ、何故か支部内なのに関わらず屋台のような物が出ていてお祭り騒ぎだ。 侠介は一人一人確実に倒していく。 息が荒くなってはいるが、肩で息をする程疲労はまだなかった。 その侠介を、神咲は胸に手を当てジッと見ている。 『あの……ミシェル隊長、やっぱり止めましょう!! 私のせいで侠介さん一人がこんな事になるなんて』 『な~に大丈夫よ。 言ったでしょ? これは貴方の為でもあり、侠介や他の隊員、部隊全体の為でもあるの。 心配しないで見てなさい』 そう言うミシェルはかなり楽しんでいるようだ。 『そうよ、詩織ちゃん。 侠介本人がやるって決めたんだし、それに……』 『それに?』 玲華は侠介を見ながら、少し黙り 『…それに侠介は負けないよ、強いから』 玲華は侠介に向かい大きな声を出す。 『侠介ー!! 負けたらヤキソバ奢ってもらうからねーー!!!』 『玲華さん……』 神咲も立ち上がり振り絞るように声を出す。 『侠介さぁーん!! 頑張ってーーー』 周りの隊員達が一瞬固まり、さっきよりも歓声が上がる。 「モテる男は違うなぁ侠介!!」 「負けたら、俺にもヤキソバ奢れよぉ!!」 侠介はそんな歓声に向かい 『ウッせー!! モテてるとか知らねぇし、関係ねぇー!! それに何でお前等にヤキソバ奢らなきゃならないんだ!!!』 変な所に憤慨していると、目の前に部隊一、体がデカい隊員が立つ。 名はゴルドー・ウェルザム。 身長は2mを軽く越え、体格は侠介の約3倍。 体重は150はあるだろう。 『侠介…いつかお前とやり合ってみたかったんだ。 俺と1対1で勝負してくれ』 『ゴルドー、お前』 『確かに俺も神咲ちゃんのファンではあるが、俺にしたら「この戦いは」関係ない。 勿論、隊員とかの肩書もお前の持つブラディアとかもな…… 一切関係ない、だだの男と男のぶつかり合いだ』 『相変わらず暑苦しいな……いいぜゴルドー』 二人は口元だけ笑っている。 観衆と化した周りにいる隊員達は、今までの雰囲気とは全く違う事に気付き次第に静かになっていく。 『やっと始まったわね』 そう言ったミシェルはまだ楽しそうにしている。 『始まったって何がですか?』 『侠介にしろ相手側にしろ、ここからが「本当のサバイバル」の始まり』 『本当のサバイバル……?』 『まだ分からない? 簡単な話よ。 ここからは「一人の隊員として、一人の男として、一人のライバルとしてのぶつかり合い」になるって事よ』
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