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ACT 4.7
[事実上の大将戦? 侠介VSゴルドー]
侠介とゴルドーの意向により全員が支部の外へ移っていた。
それは、外なら思いっ切りやり合えるというだけ。
ミシェルの遊び半分な考えから行われたこれは、今や本格的なサバイバルバトルに変わっていた。
『うおぉぉぉーーー』
ゴルドーの武器が空を切り地面にぶつかる。
ぶつかったと同時に重く鈍い音と大量の砂煙が舞い上がった。
攻撃をかわした侠介は後ろへ下がり額の汗を拭い去る。
(危ねぇ、危ねぇ。あんな一撃くらったら、この体でもイッちまう……)
砂煙がまだ舞い上がっている中、侠介は素早く砂煙の中へ飛び込む。
すると中から金属がぶつかる音だけが聞こえてくる。
実力的にゴルドーは相手側の大将に当たる。
いきなりのゴールドカードの戦いに皆はお祭り騒ぎ。
一部から侠介コールが上がりはじめると、反対側からはゴルドーコールが上がる。
次第に砂煙が消えていくと鍔ぜり合いをしたまま動かない二人がいる。
互いの力押し。
だが力はゴルドーが上。
ゆっくりと侠介を押している。
『ちょっと侠介!!
負けたらヤキソバとデザートの両方奢りだからね!!
しっかりしなさいよ』
玲華はさりげなくデザートを付け加え声援を送る。
『(玲華さん…私、負けません)
侠介さーん!! 頑張ってー!!』
神咲も玲華に負けじと声援をあげる。
と、押していたゴルドーの動きが止まる。
『ぬうぅぅぅ……』
『……ハハ!! どうしたよゴルドー?
お前の力ってこんなモノかよ!!』
今度は力のごり押しで侠介が巨体のゴルドーを押し返す。
『うおぉぉぉぉーーー!!』
侠介は叫び声にも似た声を上げ武器を弾き返す。
『しまった!!』
ゴルドーは瞬時に片足を下げ踏み止まり、態勢を立て直そうとするが、それより早く侠介は武器を腹にぶつけた。
そのままゴルドーは仰向けに倒れる。
『…はぁ…はぁ……っシャー!!』
侠介は拳を突き上げる。
割れんばかりの歓声。
その中、侠介は武器を相手側に向ける。
『まだ、終わってないな……来いよ。』
今の凄いぶつかり合いを見た後でもあり、誰も前に出ることはなかった。
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