STAGE 4 みんな同じ仲間だろ

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身動きできない神咲ファンを左右に退(ど)かしながら一人の特A隊員が前に出る。 その隊員とはライだった。 『ライ…まさかお前も神咲の?』 ライは不適な笑みを浮かべている。 『侠介……次は俺の番だ』 そしてライは振り向き、後ろにいる100人余りの神咲ファンに話す。 『お前達、俺が負けたら全員神咲に迷惑をかけるのはよせ…… それでもただのアイドルファンとして過ごしたいのなら、その前に一隊員として一対一で侠介と戦え。 それが嫌ならここに居る資格はない』 そこでバラドが珍しく真面目に割って入り話す。 しかもマイクで。 『さぁ、ライはそう言ってるが皆はどうする? 言っとくが俺も含め周りは関係ないって馬鹿騒ぎしてるが、これは至って真面目な話しだ。 自分達は神咲のファンだか何だか知らないが、ファンである前に「同じ隊員で仲間」だという事を忘れるな』 と、そこでミシェルが話す。 『ライとバラドの言う通りよ。 貴方達はファンである前に一般隊員も特A隊員も一隊員。 そして一人の男……だったら神咲を力で奪いなさい!!』 「何故そうなる!?」と全員がツッこむ。 『って事で、侠介とライの戦いを始めよう!!』 バラドが煽ると同時にライが仕掛ける。 ブラディア所有者では無いとはいえ、実力はゴルドーと変わりは無い。 いや、それ以上と言っても過言ではなかった。 侠介はギリギリ紙一重で攻撃をかわすがライの追撃に体が間に合わず、武器で受けるが弾き飛ばされる。 『侠介、神咲の気持ちはこの俺が頂く!!』 『ライ、気付いてると思うが主旨が完全に変わってるぞ』 とても不安そうにミシェルを見る神咲。 『あのミシェル隊長、主旨が……』 『良いじゃない。一人の女性を奪う為に皆が戦うのよ? うれしくないの?』 隣にいた玲華は呆れた顔で神咲の肩に手をかける。 『詩織ちゃん、色んな意味でお疲れ』 …………数時間後。 結局、最後まで立ち続けていたのは侠介。 主旨も大幅に変わり、間違いなく意味の無いこのガチンコサバイバルバトル。 だが、とりあえずこれを期に神咲に対して執拗な行動は無くなり、神咲も「断る」という事を覚えた。 とりあえず、めでたしめでたし……かな? ――――――――――――――― STAGE4 ミッション完了
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