STAGE 5 世界が広いと思う時

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『二人とも今頃何やってんだろ……』 窓の外を眺めながら言う玲華。 『うんうん、気になるよなぁ、玲華。』 『確かに気になるな』 いつの間にか後にいたバラドとライが呟く。 『ちょっと、何よ二人して』 『いやな、玲華が「何か」を心配してるのが凄く伝わってきてな』 『俺も心配だ。 侠介もいい大人だ、「何があっても」おかしくはない』 玲華は顔を赤くしながら 『ちょ、ちょっと「何かって」何よ!? そ、それに心配なんか、し、してないし!!』 『うんうん、隠さなくてもいいぞ玲華。 わかる!! わかるよぉ!!』 高笑いするバラドをよそにライはすかさず「避難」する。 『バ~ラ~ドーー!!』 ……バラド、玲華をからかい過ぎた為に全治2週間の怪我。 ご愁傷様……(byデリーター) 一方、研究施設の侠介と神咲に試作品ではあるが、新しいガン・ソードが手渡されていた。 『そのガン・ソードは、以前のとは違ってブラディア自体(ナノマシン)の微弱な電磁波を読み取り力へ変換させる特殊な機械が内蔵されているんですが、ブラディアの能力解放時にしか反応しない様になっていますので二人には能力を解放させて戦って頂きます。 本戦ではありませんから、加減してくださいね。 特に「神咲さんの方」は』 『神咲の方は?』 首を傾げる侠介に神咲が話す。 『あの、侠介さん。 「怪我」しないで下さいね』 その時、神咲の髪が風の無い空間で宙に舞う。 『神咲?』 『私、力を解放したら「止まりません」から』 ニコッと微笑む神咲。 そして ニコッと苦笑いする侠介。 『じゃあ二人とも始めてください。』 橘の合図と共に能力を解放する。 『ったく何で俺が…… (つうか、神咲の能力がさっぱり分からないな。 あれで解放してるのか?)』 侠介は先に掛けだし跳躍する。 すると空中で「何かに叩かれた」様に真逆に吹き飛ぶ。 『な、何だ今のは?』 空中で回転しながら態勢を整え地面に着地する。 顔を上げ神咲を見る侠介。 『…ハハハ、あれが神咲の解放か…… やっと擬似って言った意味がわかった』 神咲を取り巻くように白い煙のような物が何十倍もの巨大な獣を模っている。 その巨大な獣は意志を持っているかの様に侠介を見続けていた。
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