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医務室に戻った侠介は、またベットの上であぐらをかいていた。
そして、思い出すのはさっきの映像。
『間違いなく俺だった、けど俺じゃない……前に第二解放のトレーニングの時、ミシェルが言っていた事…本当だったのか……
ナノマシンであるブラディアが意識を持っている』
侠介は頭を掻きむしり大の字になる。
『…まっ、いっか。』
単純。考えた時間を返せ(byデリーター)。
『……侠介さん?
『神咲、起こしちまったみたいだな。体、大丈夫か?』
神咲はベットから降りるとガッツポーズをする。
『これでも特A隊・ブラディア所有者ですから。 意外と丈夫なんです』
『だよな、あんな攻撃受けてもピンピンしてるし。
気は失ったけどな』
『すみません…私、能力を解放するといっつも後半の記憶が無いんです。
気が付けば周りは目茶苦茶になっていて……』
侠介は笑う。
『神咲も俺と同じだよ。
実は俺も記憶が無くなるんだ。 ただし、第二解放の時だけな』
神咲は笑っていたが素に戻る。
『でも、やっぱり凄いです
侠介さんは……。
仮にもブラディア所有者最強ランクの私に勝ってしまうんですから。
今までいなかったんですよ? 私を「途中」で止めた人。』
『…俺じゃねぇよ……』
『えっ?』
数秒間の沈黙。
『っと、橘の所に戻るか』
侠介は医務室を出ていく。
『あっ、侠介さん。 待ってください!!』
橘の「汚い」自室。
『橘、今度は何やってんだ?』
薄暗い部屋の中で橘はさっきの映像を早送り、巻き戻しを繰り返しパソコンに何かを打ち込んでいる。
『…ちょっと引っ掛かりましてね……』
侠介の口元が引き攣る。
『い、嫌だなぁ~橘「さん」。 ぼ、僕は何も隠して、い、いませんよ』
落ち着きない侠介に目もくれず橘はパソコンをいじる。
『…隠す? 侠介さん、引っ掛かるのは貴方の事ではありませんよ。ガン・ソードの事ですよ。何言ってるんですか』
さらっと流す橘に口を開け引き攣ったまま動かない侠介。
神咲が首を傾げ侠介を見る。
『…えっ!? ちょ、ちょっと侠介さん!! 口から何か白いのが出てますよ!!』
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