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『えっと…つまり俺のブラディアを調べてブラディアが身体を支配しない様にするって?』
『貴方も分かっているように、現在の時点で第二解放した貴方の身体はNG(ニーベルン・グロッサム)が支配しているわ。
しかもそのNGは完全に自分の意志を表に出せる。』
ズズズとコーヒーを飲む橘。
『それに、現段階で「意志を伝えられるブラディア」なんて上層部は知らないわ。
バレたら間違いなく最低でも人体解剖は裂けられないわね。勿論、生きたままね。
あっミシェル、砂糖頂戴』
砂糖の入った容器を受けとった橘のグルグル眼鏡が怪しく光りはじめ、「フフ…」っと笑みをこぼす。
『……橘はさておき。
と、言う訳で侠介。協力して頂戴。今、貴方を失う訳にわ行かないのよ』
『そういう事なら協力してやれ侠介』
三人の視線の先には、ズズズズ~っとコーヒーを飲むバラドが居た。
『バラド、いつから居たの?』
『ん? 大分前からスタンバってたぞ。(ズズ、ズズズ~)』
微妙な空気が流れる中、橘が話しを進める。
『侠介君。悪い様にはしないし、これに関しては秘密にするわ。
上層部が圧力を掛けてきたら私達には成す術がなくなるの。』
『橘……説得力無い』
橘は大の甘党。タップリとコーヒーに入れた砂糖により顔が緩み、完全に和んでいた。
『ついでに俺のブラディアも調べてもらえないか?』
バラドが橘に言ってみる。
『貴方のブラディアには興味が無いから』
ズーンと重い何かを背負った様なバラドは部屋の隅で両膝を抱え座っている。
『冗談ですよ。私は構いませんが、ミシェルは?』
『別に構わないわ。
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