STAGE 5 世界が広いと思う時

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侠介が距離をとっているとバラドに異変が。 バラドの身につけた霧の鎧が段々と霧状に戻り始めていた。 『これ……意外と疲れんだよ』 霧状に戻った鎧はスゥっと消えた。 同時に侠介も能力を解く。 一方、第一支部ではミシェルと重寿が話をしていた。 『ニーベルン・グロッサム? 間違いないのか?』 『えぇ。橘が言うから間違いないでしょうね。』 重寿は椅子に深く座り、ハァーっと溜め息の様な声を漏らす。 『ミシェル……恐らく上の奴等は既に知っている。 侠介はゼノスからブラディアを引き継いだ時、一度上層部に引き取られ様々な検査を受けただろ? だからその場で侠介のブラディアがニーベルン・グロッサムだと知ったハズだ』 『……知っている上で、「わざと」ほっといてる。と?』 『そうなるな。 全く、最近の上層部は何を考えているか解らない。』 重寿とミシェルはゆっくりとお茶を口へ運ぶ。 するとミシェルに通信が入る。 「こちら情報部隊。 ミシェル隊長、エリア26 ポイント2083にてC・Dクラスのジュバロを多数確認。 ジュバロはポイント近くの町へ進行中。 また、現在ログナード隊長率いるギュプトス隊は別ポイントのジュバロ討伐へ向かっています。」 『「わかったわ。すぐウラノス隊の一般隊と特A隊に召集をかけなさい。3分で出入口に向かう」』 ミシェルは立ち上がりながら通信を切る。 直後、支部内に警報が鳴り部隊の召集を呼び掛ける放送が流れた。 『最近、(ジュバロは)姿を現さなかったからな。気を貫くなよミシェル』 『わかってるわ』 ミシェルが出入口に向かうと、既に一般隊と特A隊が列を作り号令を待っている。 ミシェルは歩きながら指示を飛ばす。 『全員、指示は移動しながらする。すぐに出なさい』 それと同時に、その場に集まっている150近い人数の部隊員が一寸も狂いなく一斉に敬礼をし散っていく。 『玲華、神咲。こっちへ』 ミシェルは二人を呼び止め車に乗せる。 『隊長、何か?』 『今回はブラディア所有者は貴女達二人しかいないからね。もし能力を使う場合が出たら神咲だけが前衛になるから、その時は私も前衛に加わるわ』 『隊長がですか!?』 『「穴埋め」するのも私の仕事、責任の一つよ』 15分後、エリア26 ポイント2083へ到着。 ジュバロとの戦闘が開始された。
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