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能力を解いたバラドは、その場に座り、侠介はバラドに向ながら話す。
『バラド、何でいきなり解いた?』
『だから、疲れるんだって。
今のは第二解放とは違って、第一解放状態を維持したまま力を落とさずに形成を変えるんだ。
つまり能力を解放した状態からまた能力を解放する「重複」ってやつだ』
と、そこにグルグル眼鏡を上下に動かしながら橘が歩いて来る。
『驚きましたバラドさん。貴方、どこでその「方法」 を?』
さすがブラディア開発に携わっていただけある。
さっきのバラドの解放を見ただけで重複だと見抜いた。
『別に何処でって訳じゃない。自分のブラディアの使い勝手を理解してる奴なら、これくらいは出来るハズだ
それより、ちゃんと解析してくれよ。』
橘はすぐにデーターの分析と録画したデーターを自室へ送るように指示を出し部屋を出た。
侠介とバラドはその場に残り、研究員を見ている。
『なぁ、アンタ確かマキって言ったよな? 一つ聞いていいか?』
バラドは近くに来た研究員のマキに声を掛けた。
『はいそうですが…聞きたい事ってなんですか?』
『ここの研究員ってのは、「部隊上がり」か何かか?』
そのバラドの問いに首を傾げるマキ。
『部隊上がりですか? いないと思いますよ。
研究員は部隊配属前に、直接各施設へ振り分けられますから。
まぁ中には世界政府機関の上層部から配属される人もいますから、もしかしたらバラドさんが言った方も居るかも知れませんね』
マキは答えると、すぐ分析を再開する。
『バラド、何でそんな事聞いたんだ?』
『いやな、遠回しに「アイツ」の事探ってみようってな。
だが、やはり自分の事は伏せてるみたいだな。
今のマキの話しの流れには、言葉を選ぶ仕草や戸惑う時に出る失速感はまるで無かった。
つまりマキは何も知らないって事だな。』
『バラド、ブラディア所有者より心理学者の方が合ってんじゃね?』
橘は送られてきたデーターに目を通していた。
『このデーターは……。まだデーターが足りないわね。
侠介にバラド……調べるには時間が掛かりそうね』
薄暗い部屋を照らすパソコンからの明かりで輝くグルグル眼鏡は怪しさを一層増し、橘の口元は笑っていた。
と、一方ジュバロ討伐に向かったミシェル達は交戦中。
『キャー!! ちょっと近付かないでよ!!
何なの気色悪いわね!!』
いも虫型(ACT 1参照)大量発生につき玲華、追われる。
『玲華も好きねぇ~』
『玲華さんいも虫型ジュバロ好きなんですか!?』
『んな訳ないでしょ!!』
玲華…ファイト~。
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