STAGE 5 世界が広いと思う時

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ACT5.5[ シュリアス・ホーンド ] 薄暗い部屋。 明かりは唯一、パソコンからの光のみ。 そう、ここは橘の自室。 そこには橘以外に人影があった。 『橘ちゃ~ん、これでも私忙しいんだよね。 私を読んだ理由はなに?』 『そんな慌てないの。 それに、よくそんな忙しいなんて嘘言えるわね。「収容所」に居たクセに』 『あそこはあそこで、悪くなかったんだけどね~。』 思い出し笑いする様に笑い出す。 橘は立ち上がり、いつも身に付けていたグルグル眼鏡を外した。 暗闇に浮かぶ、その橘の瞳は獲物を捕らえる様な鋭い目をしている。 いや、「目」ではなく「眼」。 『相変わらず、その両目は治らないんだ? 未だに求めているのね~。 他のブラディアを……』 『……私の事はいいわ』 橘は対面になるように椅子へ腰掛ける。 応接室にいる侠介とバラド。 『…負けてたまるか!!』 『甘いッ!! そんなんじゃ俺には勝てないぜ侠介』 『クッソ!! ならば奥義「角取り」!!』 『あぁー!! 待った!!』 呑気にオセロです。 橘から「応接室にいる様に」と言われ、待機中。 『あぁ。そう言えばさっき通信が入ったんだが、ミシェル達がジュバロ討伐に出たって言ってたぞ』 『マジ? 俺等、二人もいなくて大丈夫なのか……っとバラド、俺の勝ちだな』 『あぁ~クッソ!!』 一方ジュバロと交戦中のウラノス隊は…… 「こちらポイント151。ジュバロ生存率0パーセント。」 『「こちらミシェル、了解した。 次は、他部隊員と合流し周辺の警戒に当たりなさい。 ライ、聞こえる?』 「こちらライ。聞こえています」 『「一般隊を周囲の警戒に当て、特A隊は三部隊に別れ残りのジュバロを一掃させなさい」』 『ミシェル隊長。ポイント70から150までジュバロ残存は確認されません。 戦闘解除させ警戒体勢へ移行させます』 ミシェルはフゥーっと息を吐き椅子へ座る。 『町へ被害が出る前に片が付いたわね。 それより……』 ミシェルの視線の先には、今までに確認されていない形のジュバロの死骸があった。 『進化クラスでもない、ましてC・Dクラスでもない… 一体これは何……?』
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