STAGE 5 世界が広いと思う時

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『ったく!! 最近少しシリアス寄りだと思ったら、これかよ!!』 侠介の目の前に広がるのは、真っ赤に光らせた目を持つジュバロの群れ。 その進路を塞ぐように一般隊が陣を組み交戦している。 『侠介!! 俺と神咲は逆に回る。お前と玲華は正面からいけ!!』 その時、群れの前方で爆発が起こり同時に通信が入る。 「こちら一般隊。群勢正面より新型ジュバロ出現!! 一体……いや二体です!! 動きが早過ぎて対し……うわぁーーーザッ…ザザ…」 『クソッ!! どうなってんだ!!』 「こちらギュプトス隊隊長ログナード。ギュプトス隊員全員良く聞け!! 新型ジュバロの能力は未知数だ。そっちは特A隊に任せ、一般隊は退け!!」 「こちらライ!! 特A隊聞こえたか? 今より3・1で新型を叩く!! 全員、気合いを入れろ!!」 ライの通信直後に全体の動きが変わっていく。 『ライ、俺だ!! 今、バラドと神咲が後方へ回った。 俺と玲華が右をやる!!』 「了解。頼んだぞ、侠介!!」 少し離れた場所にあるウラノス隊司令部に通信が入る。 「…分かりました!!」 そう言った指令隊員が慌てるようにミシェルへ伝える。 『ミシェル隊長、大変です!! ここよりポイント208西とポイント15東よりジュバロが現れました!! 数は……合わせて200!!』 『増援!? まさかそんな事が!!』 知能を持つはずのないC・Dクラスが組織的に攻撃を開始し始めた。 ミシェルとログナードは各隊員に指示を出し部隊を分けていくが間に合わない。 それを遠くから見ているシュリアス。 『ふ~ん。少し「頭をいじった」だけでここまで統率が取れるんだぁ…… さぁ、どうする? 隊長さん』 シュリアスが不適に笑う中、ウラノス隊とギュプトス隊は新型ジュバロが統率する大群に押されはじめた。 ミシェルは通信を特殊回線に切り替え、叫ぶように話す。 『重寿聞こえる!?』 「どうした?」 『ジュバロの増援が現れた、数は200!! ブラディアを使用しない状態で戦うのは限界がある!! 正直このままでは全滅は免れないわ!!』 「わかった、責任は私が取る。一般隊の前でのブラディア使用を許可する!!」 『重寿…責任は私も取るわ。部下は誰一人死者は出させない!!』 ミシェルはすぐに回線を全体回線に切り替え話す。 『侠介、バラド、玲華、神咲!! ブラディアの能力解放を許可する。 一般隊への説明は後で私がする、今は戦いに集中しなさい!! 特A隊は4人のサポートへ回り、一般隊はザコを片っ端から片付けなさい!!』
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