STAGE 5 世界が広いと思う時

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『何だか知らねぇけど、許可が下りたんだ……派手に行こうゼッ!!』 侠介はすかさず能力を解放する。 『ったく。水を得た魚ってか? まぁ俺達も変わらないな。 玲華!! 効果範囲を最大!! 久々に全力で行く!!』 『私も本気で行かさせて頂きます!!』 バラドは、以前侠介に見せた霧で作られた白銀の鎧を身にまとい、同時に神咲も能力を解放させると神咲の周囲には、透き通る体の四体の狼が現れた。 また、ほぼ同時に玲華も能力を解放させる。 『能力解放完了!! 侠介、バラド、詩織ちゃん。 範囲は1000、効果継続時間は960!!』 特A隊は見慣れているが、一般隊は初めて見る光景に動揺しはじめる。 その時、全部隊に通信が入った。 『こちら特A隊ライ。一般隊の全員に告ぐ!! これよりブラディア所有者と特A隊による攻撃を開始する!! 一般隊は交戦しつつ後方へ下がり、援護へ回れ!!』 全部隊員が通信しながら更に陣を変えていく。 そして、交戦中心部辺りで侠介が地面を殴ると大きな爆音と共に砂煙が空高く舞い上がる。 大きな白銀のランスが空に向かい飛んでいくのが見えた。 バラドの攻撃だった。 空に向かったランスは空中で無数に別れ、ジュバロのみを捉えて落下していく。 神咲の方は、凄い早さで動く四体の狼がジュバロの体を打ち抜いていった。 『あらあら、まさか一般隊の前でブラディアを使うなんて……でもこれでデーターは取れるかな。 さてと、私も参加しようかしら』 遠くから一部始終を見ていたシュリアスはイーグルの特殊バイク重装MIX(通称ミクス)にまたがり崖を躊躇無く飛び降りる。 『ミシェル隊長、後方約2800に未確認のミクスが向かって来ています。』 『未確認!? 信号は!?』 『……信号確認。機体NO.284 ミクス使用者 シュリアスと確認。』 『シュリアスですって!?』 その話を聞いていたかの様にシュリアスから通信が入る。 「ミシェル隊長~、私も少しだけ力を貸したげるわぁ。」 数分後、重装ミクスが停まりシュリアスはゆっくりとジュバロの群れに向かって行く。 『待ちなさいシュリアス。あなた……何を考えているの?』 『なんですかぁ~ その言い方は? 私は何も考えてはいませんよ。さてと…… 「全員聞こえるかしら? 司令部から見て、西側ポイント200付近にいる一般隊及び特A隊は全員退避しなさ~い。 じゃなきゃ巻き込まれてもしらないよ~」』 笑みを浮かべながら言うシュリアスはゆっくりと歩みはじめ、そして体が輝き始めた。
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