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シュリアスは持っていたナイフで左手の親指を少し切り、わざと血を一滴垂らした。
すると血が染み込んだ地面が沸騰した水の様にてボコボコと音を立てはじめ、いきなり真っ赤な人型の異形が地面から飛び出した。
同時、シュリアスは小さく呟いた。
『さぁ行きなさい。ただし、「人は喰っちゃダメ」よ。』
真っ赤な人型はシュリアスのそれに答えるように「グオォォォー」っと雄叫びを上げ、その場から飛んだ。
その時、シュリアスの背後から一匹のジュバロが襲い掛かるが地面から真っ赤な細い無数の針がジュバロを串刺しにする。
『迂闊に近付かない方がいいわよ~』
クスッと笑いゆっくりと歩き出す。
さっき飛び出した真っ赤な人型は、凄い勢いで地面に着地する。
同時に体がハリセンボンの様になり、細い無数の針が周囲にいたジュバロだけを串刺しにしていく。
そして串刺しになった針が脈を打ち始め、ジュバロが小さくなって行くのが分かる。
真っ赤な人型は串刺しにしたジュバロを吸収していた。
『何なのアレ……あんなブラディア見た事ないわ。
いやアレはブラディアなの?』
ミシェルは言い知れぬ何かで冷や汗をかいていた。
「ミシェル隊長、聞こえますか!?」
一般隊からの通信によりふと我に返るミシェル。
『どうした!?』
「現在、ポイント189にてウラノス・ギュプトス隊共に負傷者多数!!
ジュバロに囲まれ退避する事が出来ません!!」
『(この混戦では他部隊を回せない……)
私が向かう!! それまで持ちこたえなさい!!
司令班!! ポイント189近くの交戦中の部隊に通信をかけ、ポイント189に全員集結するように伝えなさい!!』
ミシェルはエネルギーがフルチャージされたガン・ソードを手に取り、特殊装甲車に乗り込み走り出した。
一方、侠介・バラド・神咲の三人には玲華からの通信が入る。
『三人とも聞こえる!? 継続時間残り780秒!!』
「了解!!」
『クソッ、キリねぇなこれ!!』
『侠介!! ここは俺達に任せてお前はポイント189へ向かってくれ!!』
『何言ってんだ!! ここだってまだ片付いてねぇだろ!!』
『だから、今から俺達が片付ける!! それにポイント189に新型ジュバロが向かったらしい。
アレはブラディアじゃなきゃ手を焼く相手だ!!』
侠介は突進してくるジュバロに向かって蹴り上げ、蹴り飛ばす。
『……仕方ねぇ。ここは任せるぜライ!!
「こちら侠介。ミシェル聞こえるか!? 今から俺もそちらへ向かう!!」』
そして侠介はポイント189へ向かい駆け出した。
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