STAGE 5 世界が広いと思う時

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侠介のいるポイントから離れた場所に、無数のジュバロの死骸の山が出来ていた。 その頂きから遠くを眺めるシュリアスがいる。 『……始まったわねぇ。 初めて感じるけど凄い気……これが佐久間侠介のブラディア。 だけど、目の前にいる新種は今までとは違うわよ~。 進化クラスより強いかもね… 見せてもらうわよ、佐久間侠介。 「現段階」で最強と言われる貴方の力をね』 笑みを浮かべながら見つめる先で爆煙が上がる。 尻餅を付き目をつぶる隊員の前に侠介が立っている。 『邪魔だよ、下がってな。 「ミシェルだったか? 聞こえるか、全員後ろにさげな!!」』 「侠介!? いやブラディアか。全員下げる事は出来ない!!」 『「だったら後処理をする最低限の人数だけを残して下げな。巻き込まれても知らないぞ」』 そう言った侠介は隊員の前から消えた。 『消えた!? いや飛んだのか!!』 隊員が顔を上げると空高くに侠介が見える。 『あれがブラディアってやつの能力なのか……凄すぎる』 呆気に取られていると通信機からミシェルの指示が飛ぶ。 「前線にいる特A隊10名を残し他部隊員は後方へ一時退却!! 今すぐ下がれ!!」 同時にドンッと音と共に煙が上がる。 侠介は周りの隊員を気にせず次々とジュバロを薙ぎ倒していく。 辺りは次第に、煙が上がるよりもジュバロの血飛沫が上がる方が多くなる。 その時、ガン・ソードを振り下ろす侠介の前に新種のジュバロが立ち塞がり、片手でガン・ソードを受け止めている。 『(コイツ、 片手で!?) やっと闘う気になったか?』 『オオオ、お前の、チチ、力は見せてもらった!!』 新種ジュバロの虫の様な先が鋭い手が左右同時に侠介目掛け振り下ろされる。 侠介はガン・ソードを手放しすぐに後ろへ下がると、鋭い手は地面に刺さり地面は砕けた。 『細い腕に見えて、馬鹿力か……!!』 一瞬だった。 今、数秒前に居た場所から新種ジュバロは侠介の目の前に居た。 『オオ、遅すぎる!!』 侠介はいきなり吹き飛ばされる。 地面を転がりながらも態勢を立て直す。 『クズの分際で…… (今の蹴られたのか? 俺が見えなかった)』 新種ジュバロはガン・ソードを侠介に向かって放り投げる。 『ツツツ、使えよ。キ、キキキ!!』 その戦いと姿を見て、周りで見ている隊員達にも分かった。 今目の前にいる新種のジュバロは……侠介より強いと。
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