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侠介はガン・ソードを振り下ろすが鋼の様に固いジュバロの腕に防がれる。
それを弾かれ態勢を崩す侠介は、すぐ態勢を立て直すが目の前にジュバロの手があり、そのまま顔を押さえられ地面に叩き付けられる。
そしてジュバロの先の鋭い腕が侠介目掛けて振り下ろされた瞬間、ジュバロは何かにぶつかり吹き飛んだ。
『はぁはぁ…侠介さん、はぁ…大丈夫、ですか!?』
侠介が視線を送る先には、息を切らした神咲がいた。
『お前か…』
侠介は立ち上がり砂を払う。
『お前はって……!! まさか、侠介さんのブラディア?』
『だったらなんだ? 礼なら侠介の意識が戻ってから言ってもらうんだな。
俺は礼は言わないんでね』
『礼ならいりません。それより第二解放状態の貴方でさえ苦戦するアレは……』
神咲が視線をジュバロに移すと砂煙から異体が現れる。
『!?(さっきのジュバロとは全く違う……)
侠介さん、新種ジュバロは3体居ます。一体は先ほどバラドさんと私で倒しましたが、後一体知りませんか?』
『さぁな…異質な気配はするが解らない』
その時、神咲にも理解できた。
侠介の体を動かしているブラディアに余裕が無い事に。
それは、力が無い訳じゃなく長時間に渡っての能力解放により「侠介自身の体が限界を迎えている」事。
この状態で能力が解けたら間違いなく「死」を意味する。
だから余裕が無く焦っている。
『…下がってください。私が引き受けます』
そう言って、神咲は侠介の前に立つ。
『お前…』
『私は、これでもブラディア所有者の中で最高ランクにいるんです。
だから「貴方の体の状況」も解ります。
少しでも体力を回復させてください……侠介さんの体を「預かる」以上、貴方には無理はさせません』
神咲の髪が風に靡くと同時、侠介の目に飛び掛かろうとするジュバロが見えた。
『上だ!!』
『言われずとも分かっていますよ』
そう神咲が言うとジュバロは空中で何かに弾き飛ばされる様に吹き飛んだ。
『そう言えば、貴方には自己紹介がまだでしたね。
改めまして、私は神咲詩織。
そして私が所有するブラディアの名は…「オベリスク04」』
神咲がニコッと微笑むと、ズシンと半径4メートルくらいの地面が沈み、巨大で重量のある何かが降り立つ様な音が響いた。
『これが……オベリスク』
神咲の頭上には、青白く輝く巨大な影が見える。
それは何かの神話などに出て来そうな強靭なゴーレムにも見え、神々しい神の化身や禍禍しい邪神にも見える。
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