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「ほんっと!情けねーな!」
上から声がした
少し上の窓に座っていたのは
エブラーナ王国王子(現国王)の忍者エッジだった
そのお調子者な性格は、たまに王族としてどうかと思わせる
「どうしてここに?」
「お前がおかしくなっちまったってのを聞いたもんでな。」
セシルの隣にスタッと飛び降りる
「カインのヤローがいたらお前、今頃
ぶン殴られてるだろーぜ。」
どうしてこの男はこういう事に限って勘づくのか
セシルが今まさに考えている事を
「シドのおっさんも心配してたぜ。ぶっきらぼうな言い方してたけど、ありゃぁ相当心配してやがる………」
何時に無く真剣な顔をしているエッジにセシルは目を丸くする
「戦うのは仕方ねーだろ?オレだって同じだ。ゼムスの野郎がくたばったからって、凶暴な魔物共がいなくなった訳じゃねェ………
守りたいんだろ!?国や国の奴らを!!」
最後の言葉がセシルの心に突き刺さる
(そうだ………国や人々を守る……そう決めたんだ。それなのに………)
エッジがニカッと笑った
「なーに、心配いらねーよ!そんな恐れなんかそのうち吹っ飛ばせるぜ!」
「何でそう言い切れるんだ?」
「なんとなくだ!!!」
「な…!?」(説得力無いよ!!!)
「じゃ、そろそろ失礼するぜ!煙玉!!」
「うわぁ!」
煙が晴れた頃にはエッジは居なくなっていた
(なんとなくだけどさ……本当にそう思うんだよ、セシル…)
「セシル…。」
ローザが後ろに立っていた
「! ローザ!起きてたのか!?」
「ええ…途中から話も聞いていたわ…。」
「………」
「セシル…エッジの言う通りだと思うわ。わたしもはっきりと分からない。一番理由をよく知っているのは……セシル、貴方のはず………
だから……
セシル自身に気付いてほしいの。」
「分かった……ありがとう。」
(でも………どうすれば…?)
セシルがそう考えたその時だった
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