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『フィン城下町』
――この平和な町並み…… あの頃が嘘のようだ……
二年ほど前の事だった
パラメキア帝国の皇帝が世界征服に乗り出した……
世界は皇帝により呼び出された魔物であふれた…
戦いによって多くの人々が犠牲となり、悲しみは絶えなかった
しかし、何人かの人間が皇帝に立ち向かい、最後に4人の若者達により倒された
世界に再び平和が訪れたのだ
「フリオニール!」
女の声に青年が振り返る
そこには女性と、
体の大きな男が立っていた
「マリア!ガイ!」
フリオニール、マリア、ガイ
皇帝に打ち勝った4人の若者のうちの3人である
「フリオニール、やっと見つけた!」
「もう!探したわよ。」
「どうしたんだ、何かあったのか?」
いきなりで驚いているフリオニールがマリアに返す
「ヒルダ様が呼んでるのよ。」
「…ヒルダ様が!?」
フィン王女ヒルダ―――
戦争中、倒れた王に代わって反乱軍を指揮した勇敢な王女である
王亡き今、立派に女王を務めている
「ガイ~~~!!」「遊ぼーよガイ~!」
フィン城に向かっていると町の子供達がやってきた
「今はダメ、また後で。」
「約束だよガイ!」「きっとだよ!」
そう言うと
子供達は元気良く走っていった
「ガイは本当に子供達から人気があるな。」
「フフ、ガイは優しいからね!」
ガイは大きな体に似合わず優しい性格で、言葉も片言だ。最近は子供達から人気がある
そうこうしているうちに
フィン城に着いた
フィン城―――
戦争中は帝国に占領され、廃れていたこの城も華やかさを取り戻していた
「ヒルダ様!ヒルダ女王様!」
一人の兵士がヒルダのもとへやってきた
「お呼びになった青年達が参りました!」
「来ましたか……… 通しなさい。」
「はっ…!」
そしてフリオニール達が入ってきた
「ヒルダ女王様、ご機嫌うるわしく…。」
「そんなにかしこまらなくても良いのですよ。貴方達はこの世界の英雄ですから。」
「そんな……… ところでヒルダ様… 一体、何故私達を…?」
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