プロローグ from FFⅣ

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セシルは部屋に閉じ籠っていた その顔に以前のような凛とした表情は無く、何かを思い詰めているようだった (今日も見てしまうのだろうか………) 「セシル!」 聞き慣れたの声がセシルの耳に入る 「ローザ…」 セシルの最愛の人、バロン国王妃にして有能な白魔道士、ローザの姿がそこにあった 「………また、あの夢を見たの?」 「…ああ。」 ―――セシルは数日前、ある悪夢にうなされた 気付くと自分が暗闇の中に立っている そして目の前に 暗黒騎士だった頃の自分がいる 『何故恐れる?』 ――!? 『世界を救う為に恐れを捨てた君が、何故また僕を恐れながら戦う?』 ――僕は…恐れながら戦ってなど…… 『いや…恐れている。僕を……そして君に宿る月の民の力………』 ――!! 『兄、ゴルベーザはわずかだか心に憎悪が潜んでいたため、ゼムスに操られた。…君にもわずかに在るはずだ。』 ――たとえ在ったとしても僕は………! 『その憎悪も暗黒も…… 受け入れてしまえ… 楽になる。』 《やめろぉ――――!!!》 ―――そこで目が覚める それからというもの、こんな夢を何日も見続けているのだ 気が滅入るのも頷ける 「…きっと疲れてるのよ。たまには休養をとるといいわ。」 「ありがとう…」 ―――疲れのせいなどではない ローザもセシルも分かっていた セシルは本当に恐れを抱いてしまったのだ (セシル…どうか気付いて………貴方は恐れる必要など無いことを………) 夜――― セシルはバルコニーに立ち、月夜を眺めていた 「情けないよね…」 そっと呟いた (カインが聞いたら何て言うだろう…) カイン―― セシルの親友であり、ライバルでもある竜騎士 今はミシディアにある試練の山で技を磨いている
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