序章

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「ごちそうさまでしたっと」  俺はテレビを消し、食器やなんかを軽く洗い、キッチンを後にした。  洗面所の鏡の前に立ち、学校への身支度をする。  高校のブレザーを着込み、髪を整髪料で整える。  鏡の中の自分とにらめっこ。  顔は……まぁ普通の造型だと思う。  髪は……短めの黒髪。  背格好は……175の70キロ。  彼女いない歴と年齢がイコールで結ばれるという数式。  誰かこの数式を覆してくれないだろうか?  時計を見れば、学校へ向かう時間。  今日もいつも通りの一日が始まる。  さて……と。 「いってきます」  俺は返される事の無い挨拶をし、誰もいない屋敷をあとにした。  いつも通りの朝はこれからずっと続くと思っていたんだ。  あの手紙が来るまでは……。
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