第二話 出会

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子供の元気な声が聞こえる、いつもの初等部B組。 しかし珍しいことに、担任の鳴海が朝から教卓の前に立っている。 「あっ鳴海先生や!おはよう」 「おはよう、蜜柑ちゃん。いつも元気だねぇ」 「えへへ」 蜜柑の元気なあいさつに、鳴海はいつもと変わらない笑顔で言葉を返す。 さてと…、鳴海は一息をつくと手を叩いて、生徒の注目を集める。 「はぁい、みんなおはよう。今日はみんなに、とっても大切なお知らせがありまーす」 「大切な知らせ?」 「なんだ、なんだ」 あちらこちらでコソコソと囁く声が次第に大きくなる。 鳴海はクラスを一通り見回し、云う。 「今日は、な・ん・とこのクラスに新しいお友達がやってきま~す」 「新入生だ!」 新入生の存在を知り、クラスは一段と盛り上がった。 「新入生なんて、蜜柑ちゃん以来だね」 「うん!」 委員長が蜜柑の方を向いて話し掛ける。 それに蜜柑は、うれしそうに頷く。 うわぁ~。 ウチが来てから、まだ数週間やけど新入生がB組にやってくる。 仲ようできるかな。 期待に胸膨らます蜜柑。 それは他の生徒も同じようで、みんなソワソワと落ち着きがない。 そんな生徒の心境とは違い、鳴海の思考はいろいろな考えでいっぱいだった。 鳴海はふと、数分前の事を思い出していた。 .
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