エピソード①あおぞら

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「――――で、俺 死んじゃったのかぁ。 ははは。子供かばって死ぬなんて、ベタだね、俺。 ガラじゃないことしちゃったよ」 「兄ちゃん、カン違いしてねぇ? あんた、あの時なんもしてねぇぜ?」 「え?」 「あんたは呆然と突っ立ったまま。 急ハンドルを切ったトラックは運悪くあんたに命中。 ぺっちゃんこ。 結果的にガキは助かったけどよ。 むしろダッシュで逃げてったけどな。 ぎゃは」 「ふうん……別に……いいけど」 死神たちに憑かれ、事故死。 享年26歳。 僕は死神達と空高く飛んだ。 「ま、死ぬ時なんて人間あっけないもんよ? 案外きっかけなんて、そこら中に転がってるのにな… 死はニュースの中の出来事だと思ってるようだが、 事故とか災害とかテロとか。 あんたも知ってるだろ? 新しい病気が世界に蔓延しつつあることを。 危機感が足りねぇ。 誰ひとり自分がいずれ世界から消えるなんて考えていないのよ」 白い建物が見える。 煙突から黒い煙があがっている。 喪服に身を包んだ人達。 「残ったヤツらはヤツらで、いなくなって初めてそいつの存在に気付くんだ」 その中に彼女の姿を見つけた。
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