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ズボッ
……何やってんだ、俺…………
そうだ、犬連れのホームレス助けようとして……
ガサッ
中学生にしめ落とされたんだ……
「あなたやみんなが思っているように、この世の中は言うほどに素敵なものではないかもしれない」
メガネ、メガネ……
「ぎゃはっ!!」
…………
ま……いいか……
「でも、見慣れた景色も空から見ると
まるで違って見えるように。
雨が降っても雲の上には青空が広がってるように。
あなたがどう捉えるかで世界の見え方も変わってくると思いませんか?」
携帯を開けた。
彼女からのいくつもの着信履歴。
僕は携帯を耳にあてた。
ブロロロ
「「ああ、なんて素晴らしい世界だ」
嘘でもいいからそう思ってみれば、
昨日よりちょっとは楽しい気分。
かも、ですよね」
ボンッ
「おっと」
足元へ転がってきたサッカーボールを足で受けとめた。
「いいこととか悪いこととか。
自分はこんなすごいことをしたとか。
なんか、そういうんじゃなくて、
――――とにかく」
「後悔のないように生きて。
それだけです」
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