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終業式が終わり、あたしは教室の窓際の机で1人、寝たふりしていた。
クラスメートは皆グループを作ってお喋りしている。
「ぎゃはは!」
窓の外を見ると、またあの烏が止まっていた。
「クラス全員から総シカトか!みじめだね!ぎゃはっ!幼少時代のいじめは一生のトラウマになるんだぜ!
おまえ、今朝は惜しかったじゃないの。せっかく楽になれるチャンスだったのによ」
「うるせえよ、おまえ。ついてくんじゃねえよ。あ。」
ポロッ
ひじに消しゴムが当たり机の下へ落ちた。
コン コン コン
消しゴムは誰かの足元へと転がっていった。
消しゴムを取ろうとすると、上靴で消しゴムを踏まれた。
「おい。さっさと足どかせよ」
「あっら不思議!今あたし、ゴミが喋ったような気がしちゃった。ふふ。何も聞こえなかったよね――」
「ね――」
グッ
あたしはペンシルを掴んで立ち上がった。
グググ…
だけど何もしなかった。
「ぎゃはは」
ほんとくだらねぇ。
ハナからあんな幼稚な奴ら相手にしなきゃいいんだ。
靴箱を開ける。
ポロッ
靴箱の中は案の定、ゴミの山。
「ぎゃはっ!!おまえ、ホント笑うよ」
靴箱の上にはまた烏がいた。
「いつまでも強がってんじゃないよ!正直に言っちまおうぜ。「もう死にたい」ってよ!!
ぎゃっは!おまえ、目赤いぜぇ!?泣いてんのかぁ!?」
「ちげーよ、バ――カ!」
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