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鼓膜を強く震わせ、驚く程の叫び声は後から自分の声だと気付く。しかしそんな声もすぐに出なくなった。
「ぁ、があぁッ……」
叫び声の代わりに出たのは血液だった。同時に涙も溢れてくる。口の両端からだらだらと流しながら、俺は拘束されてない左手で喉元を触った。
鎖骨と鎖骨の間に何かが刺さっている。
おそるおそる下を見た。そう、ツルだ。
それは蠢き俺の身体に浸食してくる。
体内を掻き混ぜるような感覚に堪らず俺は身を震わせた。
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