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ZERO ~Prologue~
薄暗い道を少女が往く。前屈みの姿勢で歩くその姿から、相当疲れているように見える。
制服のような清楚な服装、右手には青い水晶のついたロッドを握っている。
「………何で私、こっちへ向かってるのかな」
誰に問いかけるわけでもない少女の独り言。
「誰かを探してる……んだっけ」
額に流れる汗を拭う。夕方だが気温は結構高め、それなのに少女は長袖の服を脱ごうとはしない。
ただひたすら前に進んでいた。
赤い夕焼けの色に対して、少女の長髪は青く輝いた。
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