始まり

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先生の背中が見えなくなると同時に、生徒全員がどよめいた。中には先生の真似をする者もいた。 そんな時でも進は全く何にも感じないのか自分の爪を触っている。 「進?おい進!?」 「え!? お、おうどうした??」 「どうしたじゃないでしょ! 先生見たでしょ!?」 「あぁ~見たけどあれがどうかした?」 「どうかしたって… 何も感じねーの??」 「おいおいむきになるなよ。 あんな狂った野郎見たって何も感じねーよ。 それよりさ。 野郎消えたし、教室戻らねー??」 果たしてこいつには感情というものはあるのだろうか… こんなに動揺している自分がいるのに、隣では何にも感じない平然とした顔立ちでいる人間がいる。 全く考えられない奴… 鈍感というか何というか…
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