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なんだ?この条件…
どっちに転んでも、こちら側が完全に有利…
俺は躊躇していた。
そして、金子に質問する。
「この条件…俺にかなり有利な条件になっている。勝っても負けても金が入るし、俺が裏切った時の条件は記述されていない……怪しいぞ?」
「アハハハッ!確かにそうだよな?まぁ気にしないでくれ。俺は金なんていらないんだ。俺は…俺は心底、その男を殺したい…それだけなんだ。それに、君が裏切るなんてこと考えてなかったから、書かなかったんだけど、何か加えたほうがいいかい?」
彼の目の奥底に、並々ならぬ憎悪の炎が見えたような気がした。
直感だったけれど、この金子という男、信用できる。
そして、俺はサインをした。
「よし!そんじゃこの契約書はアンタらが持っててくれ。会場で会おう」
そういうと、金子は帰っていった。
「孝幸君…本当にあの人信用して大丈夫なの?」
俺はタバコを吸いながら、資料を見ていた。
「まぁ多分大丈夫さ。あの人の目…常に笑っていたけど、一瞬だけ物凄い憎悪を感じる時があった。それぐらい、殺してやりたい相手がいるんだろうな…」
遺恨か…
私情を挟んでは冷静さを失う…
不安材料といえばそこだった。
今回のカードゲーム。
チーム戦ってどういう事なんだろう…
条件はみんな同じ…
考えても仕方がない。
ただ、今回に限り協力者がいる。
それだけでも心強かった。
第二回、ライアーカットまで、残り五日となった…
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