アンサー

15/16
前へ
/115ページ
次へ
「ほら、春日!ジャッジ始めなさいよ!」 春日は静かに語りだした。 「皆さん、残り時間もわずか…これが最後のジャッジになるでしょう…」 リクライニングを離れ、画面から消えた。 すると、ジャッジルームの真向かいの位置、二階部分のシャッターが開き、春日が姿を現した。 「それでは、皆さん…いや、遠藤君。君に真実を伝えよう」 春日は葉巻に火をつけ、美味しそうに煙りを吸い込む。 「後藤麻美。彼女は滝川コンツェルンの跡取り、滝川勝と交際している」 え?滝川コンツェルン!? 全国でこの名を知らない人間はいない。 手広く事業を展開し、その全てが成功。 この国で現在、1番財力のある企業だろう。 でも、一庶民の麻美が何故…? 「出会いとはわからぬものだ。とにかく、彼女と滝川勝氏は恋人関係にある。しかし、あくまで非公開…それで、何も知らされていなかった我々は麻美さんをこのゲームの参加者として受け入れてしまった…」 受け入れてしまった?てことは、やはり金があればどうにかなるって事なのか? 世の中、金なのか… 「神長さんの言う通り、金川を使って、我々は彼女を有利な方向へ導かなくてはいけなくなったのだ…」 春日の口角に変化が見られる。 徐々に徐々に口角は上がっていった。 「…ククククッ。もうダメだ!耐え切れん」 春日は腹を抱えて笑っている。 「け、結局どうなんだ!ぼ、僕たちは死ぬのか?」 白石は不安を隠しきれない。 「クリア!皆さん!おめでとう!ゲームクリアです!そう、後藤麻美、彼女は悪魔です!」 麻美は苛立ちながら春日に命令する。 「春日!早く終わらせて!こんなとこにいつまで閉じ込めとくのよ?」 春日は笑う事をやめない。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加