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「それでは早速ジャッジしますか!あっ皆さんもご覧になって下さい。その後すぐに解放しますから」
様子がおかしい…
麻美は本当に助かるのか?
「ふん!どうせ、この椅子の故障で終わるんでしょ?何、焦らしてんのよ!」
春日は相変わらず笑ったままだ。
「アハハハッ!楽しい!実に楽しい!麻美さん…あなた、捨てられましたよ?アハハハッ」
え?
嘘…
麻美の顔はリトマス試験紙のように、直ぐさま真っ青に変化した。
「う、嘘よ!勝が…勝が私を捨てるなんて…だ、だって来月には婚約する事になっていたのよ?」
春日は息も出来ないほど笑っている。
「アハハハッ!ククククッ!麻美さん…あなたはめでたい人だ。彼から見て、あなたはただの道具だ。そう、欲求を満たす為のね。よっぽど、具合がいいんですか?アハハハッ!ゲーム開始当初はあなたを救おうと五千万の寄附をいただきましたが、命の値段は三億…さすがにあなたにその価値はなかったようだ」
俺にはもう、麻美を救おうとかいう気持ちは消えて無くなっていた。
今はただ、この場所から早く帰りたい。
それだけだった。
「それでは、ご要望通り、ジャッジしますね?…あっ!皆さんに正解教えちゃったので、ジャッジにはならないかな?アハハハッ」
麻美の左足のリングが熱をおびはじめる。
「い、嫌ぁぁぁぁぁ…」
跡形もなく、吹き飛ぶ。
今までの時と同様、少しの間は血が吹き出していた。
続いて、左手、右足、右手と順に爆破が始まり、麻美の身体は、もはや違う生物のように見えた。
辛うじて生きている状態…
涙、鼻水、涎、あらゆる液体が顔から流れだし、数秒前の麻美とは別人だった。
春日はそんな麻美に問い掛けた。
「最後に言い残すことはありますか?麻美さん?」
「………。」
最後の爆発音と共に、彼女の首はジャッジルームの奥へと吹っ飛んでいった…
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