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あれから三ヶ月が経ち、俺は普段の生活を取り戻しつつあった。
まだ、心の傷は完全には癒えないが、徐々に元気を取り戻していた。
未だに麻美の夢を見る事もあるが、それも段々と回数は減っていった。
「孝幸君!」
振り返るとそこには英美の姿があった。
眠りから覚めた俺は、神長から渡されたメモを思いだし、電話をかけた。
神長は俺からの電話が余程嬉しかったのか、かなりはしゃいでいた。
ライアーカット中のあの大人しい神長と今の神長。ギャップが激しすぎて、つい笑ってしまった。
それから、少しずつ電話の回数も増え、次第と二人の距離は縮まっていった。
「孝幸君が麻美さんを忘れられなくても、平気だよ?麻美さんがいたから、今の孝幸君があるんだもん。だから、私も麻美さんを忘れない」
英美は俺の全てを受け入れてくれると言った。
俺も英美の過去を知った今でも、彼女を守ると誓った。
そんなちっぽけな幸せを送っていた二人に、書留が届く…
「遠藤孝幸様、神長英美様」
裏面を見るとアイツの名前が…
「ライアーカット審査員長、春日」
そして、再び、俺達は忌ま忌ましいゲームへと巻き込まれる事になる…
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