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第二回、ライアーカット
「起きろよ!ほら、客だぞ!」
…んだよ?人が気持ち良く寝てりゃあ、客?
どうせ、浮気調査とか、いなくなったヘビちゃん探してぇぇ!とかだろ?
半分寝ていた俺は助手が入れてくれたコーヒーを飲み、タバコに火をつけた。
「…で?あなたの名前は?」
客と名乗っている男。見るからに裕福そうである。少し依頼料をふんだくってやろうとか考えていた。
すると、客が口を開いた。
「金子 隼(かねこ しゅん)さんですね?私、こういうものです…」
俺は少し警戒したが、俺の名前ぐらい調べりゃ簡単にわかる。
客が差し出した名刺を見たが、何の会社なのかわからなかった。
「株式会社SOW…?聞いた事ない会社っすね。まぁ俺もこんな仕事だ。金払いさえよけりゃ、法ギリギリのとこまではやらせてもらってますけどね」
俺は探偵だ。探偵と言っても最近は浮気調査、ペットや人探しの仕事ばかり。たまに、アッチ系の人から、ヤバそうな荷物の運送などの依頼はあるが、まぁ何とか生活していた。
その客は助手の入れたコーヒーを飲みながら、静かに話した。
「貴方に依頼したいのは私の変わりにあるゲームに参加して頂きたい。最近ニュースで騒がれているアレですよ…」
今、テレビをつけると必ずと言っていいほど、流れているニュース。それは政府が発表した「特例ライアーカット法」だ。
特例ライアーカット法。
前回は審査のもと、全国で同時に行われた、ライアーカット法。
今回は自主参加であり、生き残った参加者には賞金が与えられるという特例である。
しかし、やはり賭けるものは命…生きて大金を得るか、死を選ぶかという参加者にとっては人生最大のギャンブルになるだろう。
国も大々的に参加者を応募しているが、どんなゲームが行われるか未知数ゆえに、自殺行為である。
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