19人が本棚に入れています
本棚に追加
………ふざけるな!!
何を考えてんだ?コイツ。
命懸けのゲームに何故俺が参加しなくちゃならないんだ。バカらしい…
「アンタ、何考えてんだ?生き死にを賭けなきゃならんゲームに自ら参加するわけねぇだろうが。賞金は魅力だが、命あっての人生なんでね。悪いが帰ってくれ」
タバコの火を消し、また一眠りしようと席を立った瞬間、その客から思いもよらない言葉が飛び出す。
「…金子隼…元秘密諜報員…コードネーム『死に神』…フフフッ。残念です。貴方なら出来ると思ったんですがね…」
何故その名を…!?引退してもう五年は経つ。
俺は机に隠してあった拳銃に手をかけ、投げかけた。
「アンタ…何モンだよ?返答次第じゃ生きて帰れないぜ?」
その客は得に動揺するそぶりも見せず、葉巻に火をつけた。
「まぁ落ち着いて下さい。金子さん。私は貴方にチャンスをあげようと思ってここに来たのです」
チャンス?何のチャンスだ…まさか、コイツ!あの事件の事を…
隠し持っていた拳銃を構え、その客の頭部に標準を合わした。
「……鬼島真人。彼もこのゲームに参加する…」
鬼島!!!!
あ、アイツが出るのか…
あの日、俺達を裏切り、雲隠れしたアイツが…
拳銃を下げ、席につき客を睨んだ。
「アンタ、何でそのことを…」
「フフフッ。まぁ当社は情報を売りにしてますのでね。貴方と鬼島の因縁…調べさせてもらいました」
俺は冷静さを保とうと、再びタバコに火をつけ、気持ちを落ち着かせた。
「…本当なんだろうな?」
客はニコリと微笑み返す。
「間違いありません。彼はつい先日まで、海外に逃亡していました。しかし、資金も底をつき、帰国してきたのです。貴方もご存知の通り、彼は天才的な詐欺師だ。恐らく彼は勝ち抜ける!そしてまた姿を眩ませるつもりでしょう」
最初のコメントを投稿しよう!