第二回、ライアーカット

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「孝幸君…」 英美の手は震えていた。 ライアーカット審査委員会からの招待状が届いたのだ。 「ごきげんよう。遠藤君、神長さん。君達があのあと交際を始めたのは知っている。今回、政府が発表するライアーカット。それが特例で、今回ばかりは自主参加になる。君達は前回の勝者だ。是非、参加していただきたい。というより、参加しなければならないだろうな。写真を同封した。それを見れば理由はわかるだろう」 春日は一枚の手紙と写真を送ってきた。 写真を見たが俺に心当たりはない… しかし、英美はそれを見て涙を流す… 「お母さん……」 写真は何処かの病院だった。そこに写る女性は全身に管をつけ、生きてるのか死んでるのかわからなかった。 英美は号泣している… 「英美の母さんなの?何処かの病院みたいだけど、具合悪いのか?」 英美は泣きながら話しはじめる。 「…お母さん、ずっと具合は良くなかった…それでも、私を育てる為に朝から夜遅くまで、一生懸命働いてたんだ…それなのに私、一人でいる事に耐えられなかった…それで、家出して…私が悪いの!!」 英美は母親と二人暮らし。 生活は楽じゃなかった。 母親は英美に苦労させまいと、一生懸命、無我夢中で働いていたらしい。 手紙の内容を見ると、極度の疲労で心臓を患い、この国での治療は難しいらしい… 他国に渡り、手術をしなければ、余命は一年持つかどうか… それにかかる費用…一億。 英美はゲームに参加すると言った。自分の為にこんな事になってしまった母親を救う為に… 俺はそんな英美を宥めた。 そして、決心する… 「英美…俺に任せろ。お前はこの家で待っててくれ。大丈夫!必ず生きて帰るからさ」 英美は拒んだ。自分の問題で孝幸を失いたくないから… 「英美。俺には家族がいない…両親は二人とも死んだ。俺にとって家族と言えるのは英美…おまえだけなんだ。英美の母さんは俺にとっても義母さんなんだから、帰ってきたら紹介してくれよ?」
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