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「孝幸君。おかえり。あの…金子さんって人があなたに話しがあるって来てるんだけど…」
金子?記憶にない名前だ…
客間を見ると、見た目は30代前半ぐらいの無精髭を生やした男が座っている。
俺は小さい声で英美を注意する。
「あんな男、知らないぞ?怪しい人を家にあげちゃダメだろう!」
英美も小さく答える。
「ごめん…でも、あの人…あの人、ライアーカットの事で大事な話があるって言うから…」
そんなやり取りをしていると金子はこちらに気づいて、話しかけてきた。
「遠藤君!突然悪いねぇ。あっ俺は金子。金子隼ってんだ。よろしくな」
俺はとりあえず話を聞いてみることにした。
「…で?金子さん。大事な話ってなんですか?」
単刀直入に質問した。
「おっと!いきなりかい!まぁ次回のライアーカットの話なんだけど…あれ?この家ってもしかして禁煙?」
そう言いつつ、金子は既にタバコに火を着けていた。
俺は灰皿を持ってきて、自分のタバコにも火をつけた。
とりあえず、客人と認め、英美にお茶を出すよう指示した。
「おかまいなく…」
そして、金子はいくつかの資料を鞄から取り出した。
「今回のライアーカット…事情があって、俺も参加する。君も参加するんだよな?」
「…誰にそのことを?…確かに俺は出ます。俺はどうしてもこのゲーム…勝たなくてはならないんだ。会場に入ったら、あなたも敵だ。俺は今回、容赦なく勝ちに行く!それは覚悟して下さい…」
金子は英美が入れてくれたお茶を飲み、一息入れると二本目のタバコを加えて話し始めた。
「まぁ熱くなるな?俺が今日来たのは、今回のゲームはチーム戦だって事を伝えにきたんだ」
チーム戦?何で金子はそんな事まで知ってる?コイツ…まさか春日の…
警戒していた矢先に金子から春日の名前が出る。
「三週間前に俺の事務所に何とかっていう会社の春日ってのが来てな、金を置いてったのよ。その時、遠藤孝幸君を仲間に入れろってご丁寧にアドバイスまでもらってね」
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