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「キング」ゲーム
雲一つない青空。
気温も18度と清々しい。
こんな日は家族や恋人と海や山に行って、自然の空気を満喫したいものだ。
遠藤は普段の生活と変わらぬ雰囲気で、スニーカーの靴紐を締める。
「それじゃあ行ってくるね!」
英美は違った。
もしかしたら、これで孝幸の笑顔を見るのは最後になってしまうかもしれない…
不安そうな顔で孝幸を見つめる。
「馬鹿だな?英美。大丈夫!絶対帰ってくるよ!」
英美は今にでも涙が溢れそうになっていた。
それでも、グッと堪え、笑顔で孝幸を送り出す。
「いってらっしゃい!孝幸君!」
孝幸に抱き着き、見えない所で泣いていた。孝幸もしっかりと英美を抱きしめ、そして口づけを交わす。
「賞金がっぽり入るんだ!今日は寿司でも食いたいな?買っておいてくれな!」
そして、遠藤はゆっくりと歩きだした。
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