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「おい、お前…名前は?それと、このゲームに参加した動機を言え…」
その男はただならぬ雰囲気を醸し出していた。
例えるなら、何もかもを飲み込む事が出来る大蛇…
一度、睨まれたら、身動きが取れない…
そう…
後はゆっくりと食べられるのを待つのみ…
問い掛けられた男も、既に飲み込まれていた。
素直に答えなければ殺される…
何の抵抗もせず、名乗った。
「ま、松永です。動機は金…こんな身体になっちまって、仕事はないし、どうせ死ぬなら、一か八かに賭けてみようと思って…」
第一回ライアーカットの生き残り…
松永もゲームに参加していた。
男は松永に近づく。
松永は恐怖で身体が硬直する。
松永の残った右手を握り、男は耳元で囁いた。
「俺の名は鬼島…いいか?俺の指示には絶対服従だ。生き残りたければな…」
周りを見ると松永の他に三人…
部屋の隅でおとなしくしている。
まるで、鬼島に飼われているかのように…
鬼島は全員に言い聞かせた。
「お前ら、この部屋は俺が仕切る。いいか?お前らの命は俺が握っている。俺の命令は絶対だ。もし、逆らえば、容赦なく殺す。例え生き残れたとしてもだ」
誰も声が出ない。
というより出せない…
鬼島はゆっくりと腰を下ろし、目をつむった。
他の四人は無言のまま、ゲーム開始の時間を待つのだった…
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