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『…』
返事はない。
それでもインターホンの前で待ち続けると玄関のドアが開き一人の女性が出てきた。
おそらくエリ子さんだ。
少し不機嫌そうに話し掛けてきた。
エリ子『写真見せてくれるかい?』
俺『はい』
写真を渡す。
エリ子さんは写真を受け取ると一瞬、少しだけ表情を和らげたがまたすぐに怪訝そうに話す
エリ子『くたばったのかい?』
俺『はい??』
エリ子『この写真の持ち主だよ(笑)くたばったのかい?まさしは?』
まさし…マスターのことか。
ハゲ『まだ生きてます!』
エリ子『ま~だ生きてんのか(笑)相変わらずしぶといねぇ』
俺『…』
ハゲ『…』
エリ子『あんたらはなんだい?どっちかがあいつのせがれかい?』
俺『いえ』
エリ子『じゃあなんだい?』
ハゲ『えーと…マスターって呼んでるんですが、マスターのお店の常連でガキの時からよくしてもらってて…』
エリ子『はぁ~…ま~だ店やってんのかあいつは!』
そう言ったエリ子さんはまた一瞬表情が和らいだように見えたが
エリ子『あいつのことで話すことなんかないよ。悪いね。』
俺『えっ?』
ハゲ『待って下さい!今…』
エリ子『悪いね。夕飯の最中だから。』
そう言って家の中にエリ子さんは帰ってしまった。
俺『…』
ハゲ『…』
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