第二話

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相変わらず、睡眠不足が続いている。 梓は眠い体を起こして、病院へと向った。 驚く事に、病院の前には、楓が立っていた。 「アズちゃん、おはよう。」 「楓さん・・・」 梓は、寛人の事で、何だか楓に申し訳ないような気がした。 「アズちゃん、大変なところごめんね・・・私さ、本当はアズちゃんのお母さんがここに居る事、最初から知ってたの・・・」 楓がそう言うと、梓は驚いた。 「姉がね、ここの看護婦をしていてね。」 その言葉で、全てを理解した。 「最初はアズちゃんって知らなかったけど、すごく大変な女の子がいるって聞いてた。 だから、寛人さんにも、昨夜本当の事を言ったの・・・ ごめんね・・・ 私、アズちゃんもわかってると思うけど、寛人さんが好きなの・・・」 楓の言葉に、梓は何も言えなかった。 本当ならば、彼女のような優しい女が幸せになるべきだと、梓は思った。 「私には、お金が必要です。それだけなんです。寛人さんには、もう私に構わないでほしいって、伝えたました。」 梓の言葉に、楓は悲しそうに微笑んだ。 「違うのよ・・・寛人さんがアズちゃんの事好きなら、それで構わないの・・・私はね、アズちゃんのように、頑張っている人が大好きよ。 だけど・・・時々そうは思っても、辛くなる事があるの。 それをアズちゃんに聞いて欲しくて・・・」 長い間、人と深く関わる事を、梓は当たり前のように避けてきた。 そして、これからもそうするつもりだった。 「楓さん、ごめんなさい。 私は、楓さんの友達にはなれない。 私は、誰とも関わりたくないの。」 梓の言葉は、楓の心の奥を突き刺すようだった。
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