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キャバクラに到着すると、100円ショップで買った化粧品で、綺麗にお化粧をした。
他のキャバ嬢達は、高級品を身に纏い、そして高級な化粧品を使用する。
「アズちゃん、それ100円ショップのもの?」
楓嬢は、梓の化粧道具を見て、そう訊ねた。
「はい。」
梓には、恥も外聞もない。
彼女にとって、人との関わりは大した事ではなかった。
「それじゃ、肌が荒れちゃうぞ。今はまだ若いからいいけど、年取ってくると、肌がボロボロになっちゃうからね。」
楓はそう言うと、梓にファンデーションを差し出した。
「それ、買ったばかりだけど、アズちゃんにあげる。」
そう言うと、にっこりと梓に向って微笑んだ。
「・・・ありがとうございます。」
がめついだろうが、梓はもらえるものは貰う主義だ。
「アズちゃんのそう云うところ、素直で好きだから。」
梓は、どうやら楓に好かれている。
楓は、このキャバクラではNo1の実力を持っている。
そのNo1に、梓は気に入られているのだ。
化粧を済ませると、時間がやって来た。
お店がオープンすると、男達がこぞってやって来た。
梓は指名はまだない。
だから、楓の隣について、働いている。
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