第一話

4/12
前へ
/59ページ
次へ
キャバクラに到着すると、100円ショップで買った化粧品で、綺麗にお化粧をした。 他のキャバ嬢達は、高級品を身に纏い、そして高級な化粧品を使用する。 「アズちゃん、それ100円ショップのもの?」 楓嬢は、梓の化粧道具を見て、そう訊ねた。 「はい。」 梓には、恥も外聞もない。 彼女にとって、人との関わりは大した事ではなかった。 「それじゃ、肌が荒れちゃうぞ。今はまだ若いからいいけど、年取ってくると、肌がボロボロになっちゃうからね。」 楓はそう言うと、梓にファンデーションを差し出した。 「それ、買ったばかりだけど、アズちゃんにあげる。」 そう言うと、にっこりと梓に向って微笑んだ。 「・・・ありがとうございます。」 がめついだろうが、梓はもらえるものは貰う主義だ。 「アズちゃんのそう云うところ、素直で好きだから。」 梓は、どうやら楓に好かれている。 楓は、このキャバクラではNo1の実力を持っている。 そのNo1に、梓は気に入られているのだ。 化粧を済ませると、時間がやって来た。 お店がオープンすると、男達がこぞってやって来た。 梓は指名はまだない。 だから、楓の隣について、働いている。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

142人が本棚に入れています
本棚に追加