【第一章】

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「お前、丈夫だな・・・」 「あらやだ、あなた。あたしそんなことしないわよ。し損なったのよ。うふふふ。」 父さん目がマジですよ。なんでそんな顔してるの?え?ママンってそんなこと本気でするの? 17年生きてきたけどそんなこと俺知らなかったよ?てかママンし損なったって何のこと?わざと使ってる口癖忘れるくらいそんなリアルな反応やめてくれない? 『昨日・・・埼玉県にある墓地へ嵐の被害によって飛んできた瓦礫等で墓地が大破する事故がありました。幸いにも負傷者は・・・』 なんかテレビからニュースが流れてる。てか父さん、新聞かニュースかどっちかにすればいいのに。俺も席について牛乳を手に取り自分のコップへついで行く。 テレビのニュースからは先ほどの墓地の事件?からスポーツ・芸能へと移っていく。たいしたニュースはやってない。母さんが焼いてくれたトーストをかじりながらぼーっとそれを見ている。 「さて・・・父さんは先に行くぞ?」 「まぢッスか?いってら~ッス」 「どうでもいいがお前のそれはなんとかならんのか?」 父さんが渋い顔で俺の口癖に文句というか苦言というか『一言物申す!』って感じッスね。まぁ当面の間はやめる気がないッス。 「当分は無理ッスねぇ。今これ絶好調なんッスよ」 「そうか・・・まぁこの前のよりはマシだからいいがな。とりあえずいってくる」 「あなた待って!ネクタイ曲がってるわよ?」 母さんがネクタイを直す。俺の家は自慢できると思う。そりゃ喧嘩もするけど基本仲がいい。父さんも母さんもラブラブとは行かないけど『熟年離婚何それおいしいの?』状態でッスね。 あ、ちなみに前の口癖は何かと「だっぺ」ってつけてたッス。 まぁここがっつり埼玉県ッスけどね。
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