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頭以外の傷は大したことなかった ので、歩くことはすぐ出来た。 昼食もリハビリを兼ねてか、 食堂で食べるようになった。 食堂のほうへ歩いていると、 不意に肩を叩かれた。その瞬間、 優子は、その肩に置かれた手を 捻りながら後ろにいた男を投げて いた。反射的ではあったが、 倒した男は何の気無しに声を 掛けようとしていただけの寺脇 だった。寺脇は、 「何?」 と優子のほうを見ながら呟いた、 「すみません。体が勝手に・・・」 体は記憶を失っていないよう だったが、優子は自分でも訳が 分からないようだった。
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