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「なんだか賑やかじゃのう」
周囲が大河の強さにざわついているところへ、扇子を扇いでいる老人が何事かといった様子で部室へと足を踏み入れてきた。
「あっ、佐川先生。お疲れ様です!!」
「お疲れ様です!!」
老人―――佐川に気付いた主将が彼に挨拶を行い、周囲の部員たちもそれに続いた。
「ふむ。それで何があったのかな?」
「先生、それが新入生が入部したんスけど、そこに居る大河って奴が超強くて」
自分が顔を出す前に部室で何が起こっていたか分からない佐川に、周囲に居た部員の1人が先程の試合を説明した。
「ほう。そんなに強いのかい?」
佐川が尋ねると、大河を絶賛していた部員が頷いてそれに答えたので、彼は大河の方へと視線を移した。
「良かったら、わしにも君のプレーを見せてくれないかい?」
「良いッスよ」
佐川に頼まれ、大河は近くに居た先輩1人を捕まえて、オールで自分のプレーをアピールした。
「なるほど。確かに上手いのう」
佐川も大河のプレーを認め、優しい笑みを見せて頷いていた。
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