進級

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きゅっ。 制服のリボンを結ぶ。 「よし。」 今日から、新学期。 わたし、星空菜月(ホシゾラ ナツキ)は中学2年に進級。 「行ってきまーす」 ふわり。 桜の花びらが舞う。 わたしの肩に落ちてくる。 わたしは、えへへ、春だ♪とか思いながら、通学路を歩く。 うーん! 何だか気持ちいい。 今日から新しいクラスで。 新しい教室で。 わくわくしてしょうがない。 「なーつきっ」 ひとり歩いていると聞きなれた声がわたしを呼んだ。 「おっはー」 それは、わたしの親友の美月玲奈(ミツキ レイナ)だった。 玲奈は、頭よくて、しっかりしてて、やさしくて。 それにちょーかわいい。 自慢の親友だ。 「今年は同じクラスがいーね」 「そーだねっ」 なんて、中学生らしい会話をしながらふたりで仲良く歩いた。 学校につくと、久しぶりに会う仲間たちがいっぱい。 みんな春休みの間に感じが変わった。 髪を切った子とか、メガネからコンタクトに変えた子とか。 とにかくみんな、変わった。 「ねえ、クラス表みよ?」 玲奈が言った。 わたしと玲奈はそんな仲間たちを掻き分けクラス表の前へ。 星空菜月…と。 みんなの名前を指で追いながら自分の名前を探す。 「あ、あった!」 わたしと玲奈が同時に叫んだ。 「あ!同じクラスだ、菜月!2-3だよ!」 「うっわ。やったあ~!」 よかったよかった! 玲奈と同じクラスで。
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