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と、一安心したところで、わたしはもう一つ気になる名前を探し出す。 「あれ?菜月、誰か探してんの?」 玲奈が不思議そうにわたしを見る。 「ちょ、ちょっとね」 ほら。 やっぱりさ、気になるでしょ? ― 好きな人のクラス そりゃ、同じだったら嬉しいよ? だから今ドキドキしながら彼の名前を……。 「みーっけた!俺、2-3!」 ドキドキしてるわたしの後ろでひときわ大きな声が。 この声、もしや。 「せ、星夜っ」 「お、馬鹿星じゃん」 彼方星夜(カナタ セイヤ)。 馬鹿で、あほで、まぬけで、うざくて、ムカつく。 ケンカ友達ってやつだ。 ううん、違う。 確かにケンカ友達でもあるけど。星夜は一応…。 わたしの好きな人だ。 「馬鹿星、何組だよ?」 「馬鹿星じゃない!菜月だ、馬鹿!」 「うるせえな。天才に馬鹿語は通じねえんだよ。」 う、うぜえ。 でも好きだ。 なんて。 わたし、本当になんでこんな奴を。 「わたしも2年3組ですけど」 ドキドキしながら言ってみた。 「えー、マジかよ。最悪~。もう学校行きたくねえ。」 星夜がおええっとか言いながらそんなことを言う。 「それはこっちのセリフだよっ」 嘘だ。 本当は嬉しくて嬉しくて。 これから学校行くの楽しみになっちゃってる。 「お、そういや玲奈は?何組?」 星夜の態度がころっと変わった。 「わたしも3組。」 「よかったあ。馬鹿星いるかわりに美人の玲奈がいて。」 「う、うっさい、黙っとけ!」 馬鹿星、馬鹿星って本当にうるさいな。 玲奈のコトは玲奈って呼ぶくせに、わたしのコトを菜月と呼んでくれたコトなんて一度もない。 「じゃーな、馬鹿星と…玲奈♪」 玲奈だけやさしく言うのやめろー!!!!! ほんと、ムカつく!! なのにあんな奴に恋しちゃってるなんて。 悔しいよ。 きっと星夜はわたしのこと馬鹿でうるさい奴としか思ってないんだよね。 なにげ、つらいです。
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